ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

6/30 PURE ROCK JAPAN LIVE 2019 Day 2 at CLUB CITTA'

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二年ぶりにPURE ROCK JAPANに行ってきました。先週来たばっかの川崎に再び降り立つ事になるとは。

 

今年のPURE ROCKは5月26日と6月30日の1ヵ月開いた二日開催。なぜ一月も間を置いたのかはわかりませんが、チッタ側との日程の調整の結果なのでしょうか。

 

初日には僕が愛してやまないGALNERYUSが出演していたものの、総合的に考えれば陰陽座摩天楼オペラSEX MACHINEGUNSが出演する二日目の方が魅力的だったので、さして悩まずに二日目を選択しました。

 

小雨がパラつく中川崎の街を歩いていき、道中のタワーレコードで新譜を一枚購入後、すでにあらかた入場が終わったCLUB CITTA'へ。そこそこ遅い時間に入ったからか、フロアはなかなかの混み具合で前の方は行けそうもない。

 

開演時間の17時になると、本イベントの主催者である土屋さんがステージ下手側に登場し、出演バンドの紹介を軽くした後に、早速最初のアクトがスタートしました。

 

 

SEX MACHINEGUNS

 

てっきり最初はBLINDMANからだと思っていましたが、トップバッターはSEX MACHINEGUNS。先日の渋谷メタル会では観るのを諦めただけに、ここで観られるのは嬉しい限りです。

 

ANCHANGさんの故郷・愛媛の名産品への愛を歌った「みかんのうた」から始まると、スタッドレザーに身を包んだメンバーが一斉にヘッドバンギング。フロアにおいても長髪をバッサバッサ振り乱す光景が見られ、久し振りの「メタルのライヴ」を実感できるなあ。

 

メロパワ風味の疾走感とキャッチーな歌メロを武器としつつも、正統派メタルの硬派さやキレのあるリフが前面に押し出される楽曲はさすがのカッコよさ。音のバランスもなかなか良くて、全楽器の音をクリアに聴きとれました。

 

ANCHANGさんのテクニカルなギターソロ、SUSSYさんとの劇的なツインリードも絶品で、これはメタル魂が熱くなるな!何気に彼らのライヴを観るのは初でしたがこりゃメチャクチャ楽しい。

 

中盤にはさまれた長めのMCでは、他の3バンドをちょいちょいイジリながら進行し、「正統派ハードロックに、メタルとヴィジュアル系の一挙両得バンドに、バシリスクタイムまである」のくだりに会場は大ウケ(笑) ANCHANGさんはソングライティングだけでなくしゃべりのセンスもバッチリでした。

 

「ONIGUNSAW」や「出前道一直線」といった僕が特に好きな疾走曲はプレイされなかったものの、面白おかしくもアツい世界観は存分に堪能できましたね。「愛人28」で"ド~ロ~沼~~♪"も叫べて、初っ端から満足度の高いアクトでした。

 

 

BLINDMAN

 

この日の四組の中で唯一予備知識がほとんどなかったバンド。だいぶ前に一人で行ったロックバー「Sweet Rock」で一曲流れていたのを聴いた、くらいしか僕には縁がありませんでした。

 

幕が上がると早速上手側のギタリストによる、メロディアスなギターソロからスタート。なかなかに哀愁を帯びた泣きのプレイを披露しており、この時点で期待度は高くなる。

 

キーボードを有した正統派HR/HMド真ん中の音は、ジャパメタらしさと様式美メタルらしさの双方を併せ持ったような塩梅で、「これぞ日本のHR/HM」と言いたくなるような王道感に満ちたもの。派手さは決してなく、歌メロも昨今のバンドのような強烈な歌謡的クサさはない。そういう意味では僕の感覚からすると少し地味に映ってしまう感もある。

 

しかし泣きのギターとパワーあふれるヴォーカルを中心に据えた混じり気の無い正統派メタルは、ジャパメタを愛する人の琴線にダイレクトに響くものではないでしょうか。最初は様子見感の強かった会場が、徐々にバンドのパフォーマンスに乗せられていくのもわかりました。

 

どことなくGALNERYUSの小野さんとB'zの稲葉さんを足したようなルックスの(?)ヴォーカルは、ハイトーンは出さずに中音域で勝負するタイプで、マイクスタンドを何度も振り回すアクション含め、非常にロックスター然とした存在感を放っており、このバンドの最大の武器としておおいに活躍していた印象です。最初は「ギターがメロメロに泣いてて良いな」と思っていたのですが、最終的にはヴォーカルにずっと注目してしまいました。

 

正直言うと、始まる前は「このバンドと初日のGALNERYUSが代わってくれたら文句なしのメンツだったのにな~」と大変失礼ながら思っていましたが、かなりの好パフォーマンスを観せてくれましたね。

 

 

摩天楼オペラ

 

三番手は摩天楼オペラ。ドラムの響さんが正式メンバーになってからは初めて観るかも。

 

最新作のオープニング「Human Dignity」からスタートするも、フロアの反応はまあそこそこといった感じでしたが、そこからの「BURNING SOUL」「GLORIA」で一気に火が付く。

 

やっぱりビジュアル系ノリ(両手を軽~く振ったりペンライト持ったり黄色い声援でメンバーの名前を叫んだり)はそこかしこで見られたものの、バンドのパフォーマンスは上々で、特にJaYさんのギターがなかなかに骨太なリフを奏でており好印象でした。その分シンフォニックサウンドのキモであるキーボードの音がやや控えめでしたが。

 

苑さんのヴォーカルはハイトーンはかなり良く出ていたものの、中音域で途切れる箇所が多く、好調なのか不調なのかイマイチよくわからん(笑)

 

途中のMCではヴィジュアル系という出自からくる負い目を素直に吐露しつつも、「2月に出た『Human Dignity』ってアルバムはヴィジュアル系だけじゃなくて、メタラーにも聴いてほしい。かなりヤバイ作品になったと思うから。ここから先は『Human Dignity』だらけで行きます」と宣言し、その言葉通り最新作からの曲を連発。

 

新しい楽曲で勝負できるのはバンドとして良いことではありますが、必ずしも彼らのアルバムに触れてきているわけではない人が多い環境なら、メタラーにアピールしやすいメロスピ然とした楽曲を中心にした方がよかったのではないかとも思いました。

 

まあ僕はしっかり新作もチェックしているので、そこからの楽曲も充分楽しめましたけどね。特に「SNOW」からの「The WORLD」の流れはやはり気持ちよかったです。

 

 

陰陽座

 

ラストを飾るのは妖怪ヘヴィメタルバンド陰陽座。かつて東京ドームシティホールでワンマンを観てから、今回は二度目のライヴ。

 

とにかくバンドアンサンブルの安定感とヴォーカルのクオリティーの高さに舌を巻きましたが、本日のアクトも極めて高水準にまとまっており、さすがとしか言いようがない。

 

特に黒猫さんのヴォーカルのうまさはマジで人間を止めて妖怪になっているとすら思うレベルで、アルバムに収録されている歌声とまったく違わない、見事な歌唱力。着物をブワッと振り乱す動きも滑らかで、本当に麗しゅうございます...。

 

そして僕より一回り年上の世代の方でありながら、両手を振りながらピョンピョン飛び跳ねるという動作がなぜあれほどまで似合うのか(笑) 打首獄門同好会のjunkoさんとかもですが、やはりバンドウーマンは若々しくて綺麗になりやすいのかなあ。

 

しかし黒猫さんの圧倒的な歌唱力の影に隠れがちではありますが、何気に瞬火さんのヴォーカルもかなりの安定感。陰陽座の歌唱面でのパワフルさをしかと発揮していましたね。

 

やや低音が前に出がちでギターの音が控えめだったのは気になりましたが(耳栓をつけてたからかもしれません)、それでも招鬼さんと狩姦さんの流麗なツインギターもバンバン炸裂し、本日もっともサウンドのクオリティーは高かったのではないかと。マシンガンズも負けず劣らずでしたけど。

 

ドラマチックなスピードチューンは控えめだったのは少し残念でしたが(新作の「飯綱落とし」はぜひ生で聴きたかった...)、ラストの「無礼講」まで怪しくもキャッチーな楽曲の魅力を存分に発揮し続け、最後に相応しいパフォーマンスであったと思います。

 

陰陽座の終演後は前回と同様に、出演バンド皆が舞台に上がった状態でセッションタイムとなり、Judas Priestの「Living After Midnight」をプレイ。プリーストの楽曲の中ではやや緩いタイプの曲ですが、大団円のムードはしかと持った楽曲で、ラストを飾るのには相応しい演出でしたね。

 

ただやはり人数が多すぎたのか、楽器を演奏するでもなく、歌を歌うでもなく、その場で手拍子くらいしかすることがなさそうな人も多く、その手持無沙汰な感じは観てて多少気になりました...(笑)

 

こうして全四組によるアクトが終了。どのバンドも実力派であるためか、退屈する瞬間も無く非常に充実した内容だったと思います。特にBLINDMANの予想以上のカッコよさ、SEX MACHINEGUNSの面白さを体験できたのは良かったですね。

 

長丁場なため終演時刻が遅く、さらに自宅が遠いがために、帰りの電車がだいぶ遅くなってしまうという欠点はあるものの、また是非とも足を運びたい空間です。次こそはGALNERYUS観れるといいな。