ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

RAVENOUS 『Eat The Fallen』

RAVENOUS 『Eat The Fallen』

2016年にカナダで結成された新進気鋭のバンド。2017年にデジタルEPをリリースしたあとの1stフルアルバムです。

 

カナダのバンドといえば個人的にはSUM 41とNICKELBACKくらいしかピンとこず、メタルのイメージはまったくといっていいほど無いのですが、ここにきてメタルらしいメタルがやってきたって感じですね。

 

MANOWARやRUNNING WILD、Sabatonあたりの男臭く、女性的な印象がまるでないバンドが比較対象に挙げられているように、そのサウンド野郎の魂を熱く鼓舞する男の疾走ヘヴィメタル。ナヨっちいひ弱さは一切感じさせないのが頼もしい限りです。

 

何と言っても本作のポイントは疾走曲のインパクに尽きますね!スラッシュやメロスピにも負けないバスドラ連打の猛烈な疾走感は抜群の快感。

 

しかしいくら速くなろうとも、メロディーやサウンドの質感はあくまで正統派メタルのそれ。スラッシュメタルのようにメロディアスさを削ぎ落しザクザク刻むわけでも、メロスピのように軽さを感じさせることもない。ENFORCERをもっと男らしく野蛮にしたイメージでしょうか。

 

M1「The Hunger Never Dies」とM2「Space And Time」という強烈な疾走曲をオープニングに続けざまで出すことで、第一印象が決まった感じですね。本作のハイエナジーなカラーを決定づけるに相応しい幕開けです。

 

ヴォーカルもまた男らしく低音で雄々しく歌うタイプで、M1の出だしで低くひしゃげたような声が聴こえたときは若干ズッコケそうになったものの(笑)、全体を通してむさ苦しい男の力強い歌唱を披露。サビでは幾重にも重なる男声コーラスも披露され、硬派な熱さに一層磨きがかかる。

 

もちろん全部が全部疾走というわけではありませんが、ミドルテンポの楽曲にも軽さ・甘さは無く、基本的にはゴリゴリの押しの一辺倒。アルバムとしてのの起伏やドラマ性みたいなものはやや希薄かもしれませんが、デビュー作はこのくらい潔いのがちょうどいいのかも。

 

個人的には男らしさ全開のメタルは大好きなので、本作に対する印象は基本的に好意的なものなのですが、欲を言えばもう少しメロディーにフックがあった方が良かったですかね。あまりキャッチーになりすぎると現在の魅力を損ねてしまう可能性もあり難しいところではあるのですが。

 

国内盤ボーナストラックには、本作未収録曲一曲とM8「Strength Of A Hero」のデモバージョン、そしてBlind Guardianの名バラード「The Bard's Song」のカバーを収録。

 

「Strength Of A Hero」は本作のテイクよりもテンポが落ちているものの、祭りのような「ハッ!」の掛け声が使われ、より重厚で力強い印象に。この手のボートラのデモって、往々にして別に無くてもいいようなオマケ以下のトラックになりがちですが(笑)、これに関してはこちらの方を気に入る人もいるかもしれません。

 

「The Bard's Song」の方はアップテンポのパワーメタルに変貌しており、彼らの楽曲として何の違和感も無い仕上がり。やはり勇壮さを武器とするバンドにブラガの曲は合うのだなあ。

 

M10「Conquering The Sun」 MV

この映像をMVって言うのもどうかと思いますが、まあタイトルに [OFFICIAL MUSIC VIDEO]って書いてあるから良いのでしょう(笑)