ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

9/29 大冠祭 2019 at CLUB CITTA'

思い出されるのは1年前の川崎...台風接近でJR全線が運転を見合わせる事となり、少しのライヴも観ることなく、涙を飲んで帰るしかできなかったあの日です。

 

大冠祭2018。

人間椅子にNOCTURNAL BLOODLUSTにGYZE、そしてGacharic Spinにバックドロップシンデレラという強力なメンツに惹かれわざわざ川崎まで行ったのに、結局タワーレコードでCD1枚買うだけに終わったあの日……!!

 

今年のPUNK LIVES!も似たような事態に陥りましたが、どうしても観たいBRAHMANをガッツリと堪能し、帰りの電車もすんなり運行したためまだマシでした。

 

しかし去年の大冠祭は一切のパフォーマンスを観ることなく終わった。ただ交通費を無駄に支払ってしまっただけだ!あの無念は今でも忘れられません。

 

そんな憎きクソッタレ台風に台無しにされた思い出をついに更新する時が来たのです!大冠祭2019、メンツこそ異なるものの今回も強烈なアクトが期待できるラインナップ。

 

もはや最高のライヴが約束されていると言っても過言ではないHER NAME IN BLOOD、先日のPURE ROCK JAPANにて凄みを見せられたSEX MACHINEGUNS、HEADBANG HELL ON EARTHで残念ながらキャンセルとなったX SUGINAMI、本日の出演組で唯一曲もステージングも未知数のラウドロックアイドルLADY BABY…

 

そしてTHE冠の特別ゲストという位置付けなれど、生ける伝説であるデーモン閣下まで登場するのです!前回の雪辱を晴らすに相応しい一日となることは必須!

 

そして見よ!この晴天っぷりを!

201900929_大冠祭

今日のお祭りを歓迎するかのような青空!9月も終わるという時期ながら、歩いてるだけで汗ばむ陽気だ!

 

意気揚々と会場であるクラブチッタへ入場。ソールドアウトしているだけあって2年前より明らかに人が多い。

 

とりあえずワンドリンクのオレンジジュースをかっ込んだ後は、最初のアクトであるLADYBABYを観るため、上手側のやや前方へ陣取る。

 

開演の10分ほど前に右壁に吊るされたスクリーンに、『ブラカンムリ』なる某番組を思いっきりパロったら映像が流される。冠さんの昔住んでいた溝の口をブラブラしながら、So What?時代からソロになるまでのエピソードを語ったり、現在の自分の居住にマキシマム ザ ホルモンのダイスケはんを招き入れ、全く売れなかった暗黒時代の想いを綴っていく。

 

この映像が幕間に挟まれていったので、ステージの転換中も退屈せずに過ごせたのは良かったですね。売れないミュージシャンの生々しい苦悩は、バンドというものに憧れを持ったことのある人間には興味深かったですし、「傷だらけのヘビーメタル」が生まれた経緯には笑ってしまいました。

 

 

LADYBABY

 

『ブラカンムリ』がひと段落し、冠さんの開催宣言が終了した後、最初のアクトとなるLADYBABYがスタート。前方中央ではモッシュピットやサークルが発生していましたが、やはりアイドルのライヴには慣れていない人が多いためか、若干様子見っぽい人が多かった感じでした。

 

ヘヴィなサウンドを用いたアイドルということは何となく知っていたものの、あまりに本格的だったのがまずビックリ。バックバンドによるメタルコア寄りな重低音もさることながら、ショートカットの人(見た目も一番ワイルドで超カッコいい。オーストラリアのクォーターなんだそうです)のグロウルの凄まじさ!「女の子にしては~」なんて偉そうな枕詞は一切不要の獰猛な叫びを披露しており、自分とそう歳の違わない(であろう)女の子がここまでやれるのに俺は......と自分の喉の弱さを呪う(笑)

 

他メンバーのクリーンヴォーカルは、踊りながらの歌唱であるためかやや安定感にかけるきらいはあるものの、必要充分なヴォーカルパフォーマンスであり、MCも誠実な感じでステージングの印象はすごく良い。ルックスも可愛らしさはありつつ毒も含んだ感じで、女の子ウケも良さげです(実際熱心な女性ファンも見かけました)

 

そしてアイドルライヴお約束の(?)、オーディエンスによる振り付けのマネももちろん行われており、BiSHのライヴの時とかも思うんですが、オーディエンスを観ているだけでも結構面白いんですよね。その分ステージ上から目を離すハメになるけど。

 

ただ肝心のメロディーにキャッチーさがほとんど無かったのは厳しいですね...。後半に冠さんが出てきてコラボレーションするなど、ハイライトも用意されていたのですが、どうも歌メロが印象に残らないのが実にもったいなかった。一発キメのキラーチューンがあればさらに印象が良くなったんじゃないでしょうか。

 

しかしこんな若い女性アイドルグループの楽曲がここまでヘヴィでラウドになることに対して、そこまで違和感を感じなくなってしまったあたり、改めてBABYMETALが残したインパクトがいかに強烈だったのかを思い知らされました。

 

 

X SUGINAMI

 

続いてはヴィジュアル系バンドマンによる初期Xのコピーバンド・X SUGINAMI。HEADBANG HELL ON EARTHで観られなかっただけに、ここで出てくれるのはありがたい限り。

 

PROLOGUE (~WORLD ANTHEM)」が流れる中、ド派手な衣装と髪型でキメたメンバーが登場。「We are, エェーーーックス!!!......杉並の団長の掛け声でひと笑いとりつつ、アルバムの流れ通り「BLUE BLOOD」へ。

 

団長もMCで「我々は有名で盛り上がれる曲しか持っていません!」と堂々と胸を張っていましたが、その言葉通り短い時間の中で名曲中の名曲のオンパレード。もちろんメンバーの演奏技術の高さも魅力の一つではありますが、なんといっても抜群に曲が良い。

 

そんな崇高な楽曲に反してMCはすこぶる自然体で面白く、

 

「僕はToshlさんに全く似ていないどころか、体型や所作がだんだん冠さんに似てきている」

 

「今すべての運命共同体を敵に回した」

 

「今日は"T"のつくメタルミュージシャンをゲストにお迎えしています。高崎晃さんかな?Toshlさんかな...?」

 

 

(Toshlさん風メイクと髪型をした冠さんがステージに来て)徹弥じゃん

 

いちいち何か言うたび爆笑の渦に巻き込む、団長の確かなトーク力が存分に発揮された一幕となりましたね(笑) いやもちろん歌唱自体もハイトーンをしっかり再現していて素晴らしかったですが。

 

そんな冠さんを招いての永遠の名曲「」で合唱を巻き起こし、そしてXのライヴでは絶対に外せない「X」でXジャンプを誘発。エンタメ性と名曲が完璧に融合した楽しさMAXのアクトでした。

 

 

HER NAME IN BLOOD

 

先週観たばかりのハーネームですが、早くもまた邂逅することに。ちなみに9月頭のEvoken Festにも、先週のRUBY ROOMにもいたハーネームファンと思しき太ったモヒカンのお兄さんがいて、その人にもデジャヴを感じました。

 

バンドのパフォーマンスは相変わらず男臭すぎ・熱すぎで絶好調。特に今回はIKEPYさんの高音シャウトが尋常じゃないほど冴え渡っていて、耳をつんざかんばかり。

 

もちろん低音デスヴォイスも相変わらずの破壊力で、「BAKEMONO」「DARKSIDE」といったシリアスでヘヴィな楽曲をより極悪なものへと変貌させていく。これで頭を振らない訳にはいかない。

 

ただ僕の寝方が悪いのか、寝具が合ってないのか、どうもここ最近腰を痛めており、上半身ごと動かすヘッドバンギングはややキツイ(笑 いやこのままじゃ笑い事にならなくなるけど)。しかしこれほど最高なメタルコアを爆音で聴いてじっとしていることは当たり前だけど不可能。うぬぬ…板挟みの苦しみだ…

 

そんな僕の状況を知ってか知らずか(知るわきゃない)、IKEPYさんは「俺たちの速い曲やるから、好きなように頭振って、回って、暴れてくれ!」とヘドバンとサークルピットを煽る。そして「HALO」のリフがかき鳴らされると、すぐさまフロア真ん中にサークルピットが出現。

 

すぐ背後にできたサークルに対してここは飛び込むべきか!?と思った矢先、名前も知らぬお兄さんが満面の笑みで「入れよ!」と言わんばかりに僕の腕を引いてくれたので、思い切ってピットイン!やはり好きなバンドの曲で回るサークルは格別!......と思ってたら、ドリンクがこぼれていたのか、びしょ濡れのフロアに足をとられて思いっきりすっころんでしまったではないか!

 

DEAD POP FESTiVALの凛として時雨でもそうでしたが、最近うまくサークルに加われてないなあ...。

 

 

SEX MACHINEGUNS

 

前回観た時も同じ会場なので当たり前ですが既視感がハンパなかったです(笑)

 

ライヴパフォーマンスも前回とほぼ同様で、メタル魂を熱く鼓舞する疾走感と鋭利なリフ、ANCHANGさんの力みまくったハイトーンシャウト!初っ端の「みかんのうた」から飛ばしまくり。

 

元々ヴィジュアル系として活動していた時期もあり、さらにX SUGINAMIとの共演ということもあってか、先ほどのHER NAME IN BLOODのような狂乱のモッシュはあまり無く、バンギャの人たち特有の長髪を横にバサバサ振り乱すヘッドバンギングが至る所で見られるようになる。僕の隣の女性も非常におとなしそうなナリなのに、疾走パートに入ると狂ったように頭を振るので、髪の毛が顔にかかって若干うっとうしい(笑) まあライヴの熱さに酔いしれてそこまで気になることはありませんでしたが。

 

今回はドラムがZIGGYのサポートなどを担当しているCHARGEEEEEE…さんなる人で、けばけばしい見た目と言い、初見では何と読むかわからない芸名といい、イロモノっぽさはプンプンでしたが、やはりマシンガンズのドラムを任されるだけありそのプレイは圧巻の一言。

 

スネア裏打ちでドコドコ爆走しながら、見るも鮮やかな高速フィルインをバリバリに決めており、本日見たドラマーの中では一番見事なプレイをしていたのではないでしょうか。他メンバーからは「最近全然メタルを叩いていないから心配」「Motley Crue以外叩けないと思ってた」などと言われてましたけど。

 

そのノリの良さそうなキャラクターはマシンガンズの雰囲気にも合ってるっぽいし、これはナイスな人選でしたね。良いプレイを観させてもらいました。

 

もちろんフロントの3人のプレイも申し分なく、スラッシュメタルばりに高速で荒々しい演奏を、ステージを駆け回りながら(前回のレザーとは違いかなりカジュアルな格好だったから動きやすかったのかな)バッチリと引き倒す。ベテランらしい安定感とベテランらしからぬ弾けっぷりは相変わらず観ていて楽しかったです。

 

ただ前回同様、今回も「ONIGUNSOW」「出前道一直線」などの僕の好きな曲はやりませんでしたが...

 

 

THE冠

 

いよいよ残すところはトリのTHE冠のみ。デーモン閣下がゲストヴォーカルとして参加するという前情報もあり、非常に高い期待値のまま出番を待つ。

 

直前にスクリーンに映し出されたレイザーラモンRGさんの「THE冠あるある」が唐突に挟まれた後、ステージ上にメンバーが登場し「帰ってきたヘビーメタル」。冠さんのメタリックなシャウトが早速炸裂し、高速リフに扇動されるかのようにサークルピットが出来上がる。

 

冠さんのヴォーカルだけでなく、もちろんバンドメンバーの演奏も強烈にヘヴィな音圧を演出していましたが、K-A-Zさんのギターがやや高音が大きく、ずっと聴いてるとちょっと耳が痛くなりそうな気がする。耳栓もせず上手側のスピーカー前に人たちは大丈夫だったのだろうか。

 

傷だらけのヘビーメタル」「哀罠メタル」という鉄板の流れで序盤から熱く、特に音源で聴いた段階から絶対ライヴ映えするだろうと思っていた「ただ単に」が最高にカッコよかった!歌詞からもわかる通りジャンプにサークルと、ライヴで盛り上がる煽りを存分に入れており、オーディエンス全員をしゃがませてからの大サビでボルテージは最高潮に。

 

そんな盛り上がりが冷めぬまま、「事前にアナウンスされていた人で、まだステージに出てきていない人がいるでしょ?」と呼びかけ、いよいよデーモン閣下が登場する。

 

「お前も殺す...お前も殺す...」と一人一人指をさしながら閣下がゆっくりとステージ上へ。生の閣下の御姿は初めて観ましたが...う~~~む、やっぱり何度もテレビ出演をしている大御所だけあり、その有無を言わせぬ存在感、オーラは別格と言わざるを得ない。冠さんやK-A-Zさんもステージ上における存在感はかなりのものを持っていると思うのですが、やはりどうしても閣下に目がいってしまうな。

 

そして閣下と冠さんという国産メタルシーンの超実力派2名による「JACK THE RIPPER」を披露。冠さんが閣下に出演オファーのメールを出した際に、この曲か「FIRE AFTER FIRE」のどちらかをやりたいと閣下に持ち掛けたそうで、個人的には後者の方が良かったな(笑) いや、「JACK THE RIPPER」も充分名曲ですが。

 

しかしこうやって生で聴くと、閣下の圧倒的な歌唱力やシャウトの素晴らしさが浮き彫りになると同時に、それに決して引けを取っていない冠さんの歌唱の見事さもよくわかります。彼も悪魔並みの歌唱力です。

 

そんなライヴでの緊張感とは裏腹に、冠さんと閣下のやり取りは漫才のように軽妙なもので、終始オーディエンスから笑いをかっさらう。

 

デ「しかしこうやって若手のアーティストと共演すると、自分がかなりベテランになったことがわかるな。冠だって私の7~8年下だろう?」

冠「8年後輩ですね......いや、10万8年下ですね」

デ「それ年齢ね」

 

デ「君も年取ったからお尻のたるみとかがひどくなってる。LADYBABYと並ぶとそれが際立つんだよ」

冠「おいLADYBABY!もっと太れ!!」

 

劇団☆新感線の演目『髑髏城の七人』の挿入歌である「刃よ明日に向かえ」をフルバージョンで初公開したあと、聖飢魔Ⅱといえばコレ(と世間一般で認知されている)な名曲「蝋人形の館」でデーモン閣下は出番を終えました。

 

どうしても「おまえを蝋人形にしてやろうか!」のフレーズが独り歩きしている感があるので代表曲扱いされていますが、個人的には聖飢魔Ⅱのレパートリーでも突出した出来の曲とは思ってなかったり。それこそ「FIRE AFTER FIRE」だったり、聖飢魔Ⅱ最強の極上メタルナンバー「HEAVY METAL IS DEAD」あたりを聴きたかったのが本音ではあります。

 

しかし有名曲なだけに盛り上がるのは確実。最後の"ラ~ララララララ..."は一緒に歌わざるを得ませんね!

 

閣下の実力をまざまざと見せつけられたあとはもうラストスパート。共に拳を突き上げ歌える「最後のヘビーメタル」、THE冠というアーティストの意思の強さを表現した「初志冠徹」で本編を終え、K-A-Zさんの息子さん(段ボールで作った冠さん風の衣装を着てた)をアンコールで壇上に上げ場の雰囲気を和ませたあと、THE冠屈指の名曲「糞野郎」と、ラスト定番の「担がれた冠」でフロアを一つにする圧巻の締めとなりました。

 

 

 

台風で少しも参加することができなかった無念から一年、ソールドアウトした今年でようやくリベンジが果たせたという感じですね。どのバンドも印象に残るパフォーマンスでしたし、何よりやはりTHE冠のライヴはメチャメチャに楽しい!メタルでここまで明るい気分いさせてくれるのは彼らだけでしょう!

 

来年の大冠祭も開催が決定してるとのことなので、気は早いですが来年以降も最高のお祭りを期待したいところ。まだまだヘビメタで思い切り笑って盛り上がりたいぞ!