ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

ANTHEM 『BOUND TO BREAK』 (1987)

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LOUDNESSとOUTRAGEのアルバム感想があって彼らが無いのもアレなので、代表作と思しき本作を取り上げてみます。

 

どうも「ジャパメタ代表 = LOUDNESS」のイメージが強すぎるためか、なんとなく二番手の位置に甘んじているような気がしなくもないですが、ジャパメタ屈指の実力派であることはメタルヘッズであれば周知の事実。

 

本作は1987年にリリースされた3rdフルアルバムで、坂本英三さん脱退前の最後のアルバムでもあります(再結成時には坂本さんは復帰するも現在は脱退済み)

 

最初から海外進出を強く見据えていたLOUDNESSと違い(彼らも海外は狙ってたのかもしれないけど)、歌メロの比重がより強い、歌謡曲っぽさが色濃く感じられる正統派メタル。これぞまさしく「ジャパメタ」と呼びたくなる代物。

 

この歌謡的なメロディーを熱い歌唱と演奏に載せている様は、ともすればダサいと受け取られるだけのリスクがありますが、名プロデューサーである故クリス・タンガリーディスを迎えて制作されたことも影響したのか、単にダサいだけに陥らず、パワーメタルとしての馬力、説得力、そして熱さを帯びています。

 

そう、本作は熱いんですよ。いわゆるエピックメタルとは異なる、日本男児が拳を握り、血潮をたぎらせるかのような男の暑苦しさが見事にパワーメタルのスタイルと調和して、思わず聴いているだけで心の温度が上昇するのです!

 

謡曲やアニソンにも通じるようなメロディーと、それをなぞる坂本さんのヴォーカルが本当に熱い!1stアルバムの頃はお世辞にもうまいとは言えなかった彼の歌唱が、ここにきて熱きANTHEM美学にピッタリとハマる声と化している。振り絞るかのようなシャウトに心がたぎる!

 

個人的に僕はこの坂本さんのヴォーカルが大好きでですね...。実力的には今の森川さんの方が遥かに上だとは思いますが、やはり僕は彼の魂の歌唱こそANTHEMらしいと感じます。

 

楽曲のクオリティーも文句無しで、アップテンポな攻撃力高めの楽曲から、ミドルテンポで重心低くずっしりと迫ってくる曲まで、聴き手を力強く鼓舞してくれる楽曲ばかり。バラードの類いは無く、全編に渡ってパワーに満ちている。

 

タイトルトラックであるM1「Bound To Break」なんかは「これを聴いて熱くならないいヤツは男じゃねえ!」と言いたくなるほどの男のロマンが詰まった、実直でパワフルな名曲。一曲目からブーストをかけにきていてたまらんのです!

 

ヤケクソ気味の疾走感と坂本さんの熱すぎるヴォーカルパフォーマンス、エモーショナルなギターソロに脳ミソを撃ち抜かれるM2「Empty Eyes」、タイトル通りロックンロールのノリをガッツリ取り入れ、聴き手の体を揺らすM4「Rock'n' Roll Survivor」、イントロの時点で直球のパワフルさとヒロイズム全開のM8「No More Night」、聴けば一発で覚えられそうなシンガロングが熱いM9「Headstrong」など、あんたたちは休むことを知らないのかと聞きたくなるほど(途中でインストは入るが)全身全霊のメタル・アンセムが鳴り響く。

 

とりあえずこの一枚を聴けば、ANTHEMというバンドがいったいどんなバンドなのかがわかると言っても過言ではないんじゃないかと思います。メタル日本男児であれば必聴です。

 

そして何よりも特筆すべきことは、このアルバムリリースから30年以上経っているにも関わらず、当時と遜色ないテンションの楽曲を作り続けられる今のANTHEMの強靭さですね(笑) まだまだ野心全開だぞ柴田のおっちゃんは!

 

 

個人的に本作は

"日本の全メタルヘッズを燃え上がらせるジャパニーズ・ヒロイック・ヘヴィメタルの代表作"

という感じです。

 

非公式の映像ですが、あまりにもカッコいいので載せます。

いや〜〜〜熱い!やっぱ英三カッケエ〜〜〜!!!


Bound To Break Loud Park07 さいたま