ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

8/6 Northern19 / 60分1本勝負ワンマンライブ at 下北沢SHELTER


サブカルの聖地・下北沢にて、真っ昼間からパンクのライヴを堪能してきました。

 

今年結成20周年を迎えるNorthern19のワンマン。このライヴは、今後発表される予定の新曲を初披露し、そのライヴの様子をカメラに収めて、そのままMVにするという企画も含まれているもの。

 

もしかしたら僕もMVに映り込む可能性があるため、場違いな格好して悪目立ちしちゃいかんなと思いましてね。物置の収納ボックスにずっと眠っていた、ちょうど9年前のツアーTシャツをわざわざ引っ張り出して馳せ参じました。

 

会場はライヴハウス激戦区の下北沢において、特に高い知名度を誇るSHELTER。実はなにげに初めて来る場所なのですが、思った以上に小さいですね。階段を降りたら即ドリンクカウンターとフロアがあり、コインロッカーも無さそう。下手側には物販スペースもあり、ただでさえ狭いフロアのキャパがさらに絞られている。

 

僕が入ってきたころには、前方はパンパン。コインロッカーが無いことを事前に調べていなかったので(この辺が本当にアホ)、当然カバン持ち込んで前の方へ行くことなどできやしない。ワンドリンクのジントニックをたしなみながら、後ろの方で観ることに決める。

 

ソールドアウトしているだけに、「キャパシティ見誤ってない?」と言いたくなるほどの大盛況で、人口密度はかなりの高さに達していました。すし詰めのアングラな雰囲気はライヴハウスらしくて好ましいのですが、快適な環境とは言い難かったですね...

 

開演時間を少し過ぎたあたりで暗転し、SEが流れてメンバーが登場。ギュウギュウ詰めなので、人の頭でステージはほぼ見えないものの、フロントの笠原さんと敦賀さんが前の方へアピールしに来る姿は視認できました。

 

オープニングナンバーは「BELIEVER」。ドがつくほどの直球メロコアで、当然フロアの熱量がグンと増す。狭いフロア内でキッズがグチャグチャに蠢きつつ、クラウドサーファーが盛んに飛び出していく光景は、後ろから見ていてなかなか痛快。

 

この時点からステージ上にはカメラマンがスタンバっていて、前方のモッシュピットの様子を映している。きっとこの辺の熱気もMVの一部に使われるのでしょうね。

 

モッシュピット発生のおかげで、少しスペース的に余裕はできたものの、依然としてパツパツ具合はかなりのもの。そのためステージ上のパフォーマンスをしっかり見ることはどだい無理な話。ドラムはもちろん全然見えず(隙間からたまに馬場さんのコーラスすす様子が見切れる程度)、せっかくのギターソロも手元は全然見えない。

 

しかし、不思議とそれが不満には感じず、むしろこの狭小で暑苦しい空間が心地よく感じてくるんですよ。空間小さいライヴハウスならではの熱気がビンビン視覚からも伝わってくるんです。Zeppのようなデカバコだったら、この臨場感は感じられなかっただろうな。これをバンドマジック、ライヴマジックと言わずして何と言おう。

 

先日公開されたばかりの新曲(今回のMV撮影の曲とは別物)の「FRESH」「DESTINATION UNKNOWN」の2曲ももちろんプレイされる。ストレートな勢いとクールさに満ちた後者はともかく、前者は「ノーザンにしてはメロが弱いなあ」という感想を抱いていたのですが、こうやってライヴで聴いてみると、普通に勢いがあってカッコよくなる。やっぱりライヴでこそ真価を発揮する音楽ですねメロコアは。

 

汗っかきの笠原さんは、ライヴ前の撮影時間の段階ですでにビッショビショになっていたらしく(まあこの暑さなら仕方ないでしょう)、ライヴ中に頭を振り乱すと、まるで犬が濡れた体を震わせるかのように飛沫が飛び散る。「みんなも俺に負けないくらいビチャビチャになろうぜ!」と煽り、落ちない熱量で応えるオーディエンスたち。

 

フィジカルでの最新作のリードトラック「MEMENTO MORI」が、彼らのライヴ定番曲にも負けないほどの盛り上がっていたのが印象的でしたね。彼らのように活動歴が長くなると、どうしても過去のキラーチューンを望まれることが多くなるものですが、このバンドは現在進行形でキラーを生み出せる力があるということなのでしょう。実際近年の楽曲もかなり良いですよね。

 

そしていよいよ新曲披露の時間。「MAGIC TIME」と名付けられた楽曲は、敦賀さんメインヴォーカルの楽曲。疾走しているものの、ヴォーカルメロディーはやや穏やかな哀愁を漂わせていて、明朗快活なイメージは控えめ。この絶妙な切なさがまたノーザンらしくて良い。「思わず体が反応しちゃうような曲」という曲紹介の通り、疾走パートではさっそくモッシュピットが生まれていました。オーディエンスからの"ワンモア!"という言葉に応えて、二連続プレイされましたが、その頃にはすっかりクラウドサーファーが幾重にも重なる光景も。

 

その後は過去曲を連発するのみの時間帯。ノーザンのピースフルな魅力を描ききった「SMILE FOR PEACE」に、シリアスなヴォーカルと狂うように唸るギターが特徴の「THE WORLD IS MINE」、すっかりバンドの看板を背負うまでになった必殺の哀愁疾走ナンバー「MESSAGE」と、最後まで熱気を落とすことのないライヴ運びが素晴らしい。

 

クライマックスはもちろん、バンドを代表するキラーチューン「STAY YOUTH FOREVER」。最初のコーラスの段階で、すでに待ってましたと言わんばかりに肩車されたオーディエンスが拳を突き上げ、この日一番のシンガロングが巻き起こる。この曲はさすがに叫ばないわけにはいかないので、後ろの方で控えめに盛り上がっていた僕も、デッカイ声で歌わせてもらいました。

 

てっきりこの曲がアンコール前ラストなのかと思っていたら、「生きてて色々嫌なこととかあるとおもうけど、これからもみんなでSURVIVEしていこうぜ!」と声をかけて、「SURVIVE」が投下される。

 

この曲も「MEMENTO MORI」と同様に、かなり新しめの楽曲ではあるものの、ラストを飾るに相応しい説得力は十分に備えている。ほのかに哀愁を帯びたサビが軽やかに疾駆し、キレのあるギターリフがザクザクと刻まれる様は理屈抜きにカッコいい。後半のリズミカルなパートのシンガロングも相まって、予想以上に高まりましたね。

 

「SURVIVE」が終了したあとは、しばし手拍子と掛け声が響き渡りアンコールが始まる。「急遽「MAGIC TIME」と一緒に配信される曲をやるよ!」と笠原さんが宣言し、MVにはならない新曲がプレイされる(曲名は不明ですが「CREEP SHOW」みたいな響きだった気がする)

 

「MAGIC TIME」とは異なり、こちらはミドル〜アップテンポのポップな楽曲。この手の曲もノーザンらしい一面ではあるものの、まあさすがに疾走曲ほどの即効性やインパクトは薄めで、あくまでカップリングという体でしょうね。

 

ラストは本日三度目となる「MAGIC TIME」で締め。60分という短い時間なので、せっかくなら異なる曲を聴きたい気持ちもありつつ、やはり彼ららしい切なさの詰まったメロディーは心地いい。

 

 

何気にメロコアバンドのワンマンを、こんな小さなライヴハウスで観たのは久しぶりでしたが、やっぱりこういうパンクのハコライヴは良いもんですね!札幌に住んでた高校時代、ベッシーホールとかペニーレーンとかに行ってた頃の記憶を思い出しました。これぞライヴハウスらしいライヴって感じで、快適とは縁遠くとも楽しい空間でしたね。

 

そういえばNorthern19を初めて観たのも、札幌のベッシーホールだったなあ。もう12年も前か。あの頃からメンバーチェンジこそあったものの、やっていることもスタンスも何一つ変わってなかったです。