ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

2/2 KLASH OF THE TITANS at EX THEATER ROPPONGI

THE冠、Primal Fearときて、またまたさらにヘヴィメタルのライヴへ。この1週間はメッチャ濃密でした。エゲツねえライヴラッシュだ...

 

ジャーマンスラッシュの代表格であるKREATORと、メロデスの開祖にして、オルタナメタルとしてワールドワイドに活躍するIN FLAMESのツーマン、KLASH OF THE TITANSに行ってきました。

 

このツーマンが発表された当初から、これは行かねばなと。KRETAORは去年のLOUD PARKで観たばかりではあるものの、フェス仕様の短めのセットリストでしたし、IN FLAMESはKNOT FEST 2016で遠目からちょろっと観た記憶が残っている程度。フルセットのライヴを間近で観られるチャンスを逃す手はありませんでした。

 

翌日の土曜日は休日出勤で朝も早いという悪条件ではあるものの、当日の仕事はだいぶ落ち着きを見せていたので、定時になったらすぐに外に出られる。六本木まではそこまで時間もかからないので、開演時間の19時には充分に間に合う。

 

しかし誤算だったのはお金。「このツーマンをスーツ着たままおとなしく観られるかってんだ!」と、着替えを持ちこんでいたのですが、当然ながら荷物が多くなりコインロッカー1個では収まらない。

 

さらに追加で100円硬貨を用意しようにも、手元に残っているのは1万円札と新500円硬貨が2枚。両方とも会場内の両替機には対応していない。クソが!新500円玉FUCK!

 

着替えたスーツとコートを持ったまま立ち往生。物販でタオルか何かを買って、小銭を増やすことも考えましたが、さすがに開演までわずかな時間しか残されていない。1曲たりとも聴き逃しをしたくないため、ここは諦めて荷物を持ったままフロアで観ることに。

 

IN FLAMESとKREATOR、もちろんどちらのバンドも好きですが、どちらかといえばKREATORの方をガッツリと観たかったために、モッシュピットの中へ混ざれないのはなんとも歯がゆいなぁ...。手荷物など気にせず心置きなく観たかったのですが。

 

 

KREATOR

そんなこんなでちょっと出鼻をくじかれた気持ちで観始めたKREATOR。最新作のSEでメンバーが登場し、そのまま流れ通り「Hate Über Alles」でスタート。さっそくフロア前方中央付近ではモッシャーたちがサークルピットを作り出す。

 

ステージにはジャケットに映る悪魔を模したバルーンがデカデカと鎮座し、脇にはLOUD PARKでもあった、串刺しになった人間のモニュメントが。

 

「破壊神」と書かれたタンクトップが目につくフレデリク・ルクレール、長い金髪をなびかせる姿がクールなサミ・ウリ=シルニヨ、KREATORの真骨頂である限界を超えたスピードを体現するユルゲン・"ヴェンター"・レイルと、LOUD PARKほどではないものの、間近で彼らのプレイを拝むことができる。

 

何より目を引いたのはやはりフロントマンのミレ・ペトロッツァでした。ステージ中央に仁王立ちし、両手を広げてメロイックサインを掲げる姿、ギターを天へと突き出す姿、特徴的なヒステリックなシャウトでオーディエンスを狂乱させる姿、そのどれもが威風堂々としたカリスマ性に満ちている。もはや単に「キャ〜カッコいい〜❤️」なんてヤワな感情を通り越して、畏怖だ。畏怖の対象だこれは。

 

邪悪なオーラを常に纏った楽曲を矢継ぎ早に繰り出す光景、「邪神といえばモッコス」な人でも、このステージを見れば「ミレ・ペトロッツァこそが邪神だ」と考えを改めるでしょう。この存在感はただごとではない。

 

ただ、そんな邪悪なるライヴにも関わらず、ステージ上のメンバーは結構フレンドリーというか、ファンサービスを積極的にやってくれている。ドラムを除く3人が入れ替わり立ち替わりで場所移動し、かなり前の方までやってきてオーディエンスへのアピールを繰り返していました。

 

MCもわかりやすい英語の煽りばかりでしたし、オーディエンスを前後に分けたコール&レスポンスもやってくれたりと、悪のオーラを放っているのに、意外なほどの親しみやすさが全編に感じられましたね。

 

演奏は若干ギターソロがモタっている印象というか、あまりタイトという感じではなかったかな。ザクザクとしたリフにより醸し出される興奮はバッチリ。疾走曲はテンポが速すぎてヘッドバンギングが追いつかんわい。

 

そういう意味では、「Satan Is Real」や「Violent Revolution」、「666 - World Divided」のようなスピード一辺倒ではない曲の方が、頭を振りやすくてノれましたね。MANOWARポーズのごとく手をガッチリと組み合わせて「We are united!」と叫ぶミレのカッコ良さたるや...

 

ラストはあまりにもテンポが速すぎる初期の名曲「Plessure To Kill」。ミレの指示により、中央にサークルピットが形成され、"KILL!"の掛け声と合わせて興奮と狂気の坩堝と化す。柵と段差のせいで巨大な一つのピットが出来上がることはなかったものの、ラストを飾るにふさわしい狂乱となりました。

 

 

IN FLAMES

ここで30分ほどステージの転換時間となるため、邪魔な荷物をお片付け。記念にIN FLAMESのタオルを1枚購入し、できた小銭でスーツとコートをロッカーに押し込む。これで心置きなくフロアの真ん中に陣取れますわ。

 

悪魔像が真ん中にドーンと立って、上からも死者が吊るされていたKREATORと比べて、ステージセットはバンドロゴのバックドロップのみと簡素。

 

しばらく待ってからメンバーが登場し、『I, The Mask』からの「Voices」でスタート。とりあえず、まずビョーン・イエロッテのヒゲに目がいく。クリス・ブロデリックはシンプルにカッコいい。

 

そのガッチリとまとまった演奏により、気持ちよくヘッドバンギングできる。専任ヴォーカルがいて、ツインギターは演奏に徹することができることも大きいのか、演奏のタイトさは先ほどのKREATORを凌駕していたように思います。

 

そしてアンダース・フリーデンのシャウトヴォーカルがかなり良い!ネガティヴな感情を乗せた激情の叫びは、音源の時点でかなり好きなんですが、その高揚感をそのまま生で発散しているかのような好パフォーマンス。見てくれこそチェックのシャツにキャップと、あまりカッコいい感じではなかったけど(笑)

 

セットリストは過去作から満遍なく選出されており、アルバムごとの偏りはほぼ無し。中盤には初期メロデス時代の「Ordinary Story」に「Behind Space」、「Only For The Weak」といった曲を披露。やはり日本ではこれらの曲の方が反応は良さげかな。それまでモダンなリフが支配的だったのに、急にメロディアスなギターが出てくる構成には面白い違和感があります。

 

オルタナティヴメタルとなった彼らはそれはそれで魅力的ですし、なんならモダンなサウンドはライヴでさらに映えていたと言ってもいいんですが、やはり「Behind Space」の性急なリフが鳴り響いたら、「これだよ!これ!」ってなっちゃうのが慟哭音楽好きの性。

 

ただ『Colony』からやるのであれば「Ordinary Story」よりも、それの1曲前か、1曲後のヤツをやってくれた方が嬉しいよ、とは言っておきます(笑)

 

また、KREATORと同様に、このバンドも結構フレンドリーというか、オーディエンスに対してにこやかにコミュニケーションを図ってくれているのが少し意外でしたね。世論とは関係なく、自分たちのやりたいスタイルを貫く姿勢から「どう聴こうが勝手にしろよ」みたいな、ある程度リスナーを突き放すタイプのバンドなのかなと思ってたもんで。

 

アンダースは最前の人たちとグータッチを交わし、スマホを取って各メンバーを間近で撮影してくれていたし、ドラムのタナー・ウェインはニッコニコで手を振ってくれたし。

 

新作からの強烈な疾走曲「State Of Slow Decay」(この曲が一番ライヴ映えしてたように思う)で後半のエンジンがフルスロットルとなり、エモーショナルな「I Am Above」からの、定番「Take This Life」へ。サビにて大きなシンガロングを巻き起こし、怒涛のモッシュピットを生み出すラストに昇華しました。この曲のアンダースのヴォーカルはだいぶラフだったけど...

 

 

各バンド1時間以上、かなり近い位置からガッツリ堪能することができた1日でした。最初こそ荷物の処理に若干あくせくしてしまったものの、いざライヴが開始すれば、そんな焦りはたちどころにすっ飛んでいきましたね。

 

ここまで充実したライヴを観られたのだから、何も思い残すことはないぜ!......と言いたいところだったのですが、前日のセットリストを見てみると、KREATORは「Phantom Antichrist」を、IN FLAMESは「Pinball Map」に「The Hive」をやっていたらしく、「昨日行けばよかったな...」という思いがちょっと湧き起こってます(笑)