ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

過去のCD感想記事のジャケット画像が消えてしまっている件に関して

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いつも「ひとりごと ~Music & Life-Style~」をご覧いただきありがとうございます。

管理人のShowです。

 

現在はてなブログに移行する前の過去記事において、一部のCD感想のジャケット画像が表示されない事態が発生しております。前身のFC2ブログをまるっと削除した際、このブログの画像も吹っ飛んでしまったのか...(その割りにはライヴ感想とかはほとんど無事なんですが)

 

復旧を試みようとは思いますが、なにぶん過去記事数が多いし、なにより仕事終わりで遅くに家に帰ってきた後はブログをいじるモチベーションが低下してるし(オイ)完全な復旧は時間がかかりそうです。

 

過去記事を参照いただく際は、ジャケットが無く大変殺風景な状態になってしまっており申し訳ございませんが、いましばらくお待ちください。

 

コレ、一から画像張り直さなきゃなんないのかな...?

ウワアアアめんどくせええーーーーー!!!

INSANIA 『Sunrise In Riverland』 (2001)

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何となくコテコテのパワーメタルが聴きたくなったので、本作をリピートしていました。

 

スウェーデンストックホルム出身のメロディックパワーメタルバンドINSANIAの2ndフルアルバム。2001年という日本でクサメタルがもてはやされた時代に国内盤がリリースされたパワーメタル、そしてドラゴンが飛び交うジャケット...とくればどんなサウンドなのかは推して知るべし。

 

クサいメロディーをプンプン撒き散らしながら疾走し、ヴォーカルはハイトーン型、まさにクサメロパワの王道をまっすぐに行くパワーメタルが濃縮されています。というかこのジャケットで中身がそういうメロパワスタイルでなかったら立派な詐欺罪ですからね。

 

北欧出身らしく専任のキーボーディストがいるのですが、STRATOVARIUSSONATA ARCTICAのような北欧出身ならではの冷たい透明感はほとんど無く、音楽性は完全にHELLOWEENGAMMA RAY直系のジャーマンスタイルと言えましょう。

 

正直収録されている音自体は紛れもなくB級です。ヴォーカルはヘロヘロというわけではないものの、全体的に線が細く垢抜けない(この手のバンドとしては充分に歌えているとも思うが)。ギターがやけにモッサリしていて音もチープなため、洗練された音とは完全に無縁。どう聴いても本作からA級の輝き、オーラを感じ取るのはムリです(笑)

 

しかしメロディーセンスには光るものが感じられ、ここぞというところでこの上ないほどクサいメロを奏でてくれるし、武器である疾走感を支えるドラムの勢いはなかなか。クサいもの好きな疾走野郎の欲求はしっかりと満たしてくれそうです。

 

M1「Finlandia」はギターとキーボードがメロディアスな旋律をなぞるイントロなのですが、もうこの時点で恐ろしいほどクサい。チープでダサい、そしてクサい。

 

そうして繋がるM2「The Land Of The Wintersun」は冒頭のハイトーンに、ポジティヴなクサさMAXのサビ、死ぬほどクサいツインリードのギターソロと、クサメタルマナーに100%則ったクサメタルアンセムと呼ぶべき曲。この曲が本作のNo.1ですね。ラストの壮大なコーラスに"ドォォォン!"という爆発音も良い!(笑)

 

やけに長いバラードであるM5「Angels In The Sky」を除けば、アップテンポ~疾走ナンバーで固められているのは、メロスパーにはアピールポイントになりますね。

 

そして本作を語る上で何よりも欠かせないのがM7「Heading For Tomorrow」でしょう。ぶっちゃけ僕が本作に興味を持ったのはこの曲があったからに他ならない。

 

ライナーノーツでキャプテン和田さんから「"Eagle Fly Free 2001"とでも言うべきトリビュートソング」という言葉をいただいた楽曲で、あろうことかサビがまんま「Eagle Fly Free」というパクリソングなのです!タイトルはGAMMA RAYなのにね(笑)

 

僕は長年にわたってメタルを聴き続けてきたメタルヘッズと比べてイマイチ聴きこみが足りないのか、パクリだと言われない限り気づかないことが結構多いのですが、この曲に関してはあまりにもそのまんま過ぎるため、前情報なしでも100%気づく自信があります。

 

そして続くM8「Sunrise In Riverland」のサビはGAMMA RAYの「Man On A Mission」にクリソツです(笑) 凄いぞ!このバンド節操なさすぎるぞ!!

 

カイ・ハンセンを愛してやまず、疾走感たっぷりでメロパワ/メロスピの基本をまったく逸脱しない曲展開、音は思いっきりB級と、とことんクサメロスパーの琴線に響く要素を携えたようなアルバムです。パクリに目くじらを立てず、とにかくクサメロが聴きてえんだ!というリスナーなら結構満足度が高いかもしれない...?

 

個人的にはちとB級過ぎるし、疾走してない曲のメロディーがあまり面白くないことと、後半似たような疾走曲がぶっ続けで垂れ流され、ちょっと飽きがきてしまうことにより、ハマりきれない部分があるのは確か。でもメロパワ大好き人間としてはキライになることはできませんね。

 

ただまあアレですね、今だったら確実に国内盤は出ないであろうこんなアルバムを、2020年になって新たに聴きだすヤツは僕だけで充分ではないでしょうか(笑)

 

 

個人的に本作は

"ジャーマン系クサメロパワの超王道を突っ走る憎めないアルバム。B級もいいところだけど、メロディーセンスは決してバカにはできない"

という感じです。

 


Insania @ klubben 2001 - The land of the wintersun - Rare footage

いちおう公式のアカウントから公開されている2001年のライヴ映像。サビのヴォーカルのキーはガッツリ下がっていますが、声自体は良く出ているような気がする。

The Black Dahlia Murder 『Verminous』

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  • 残虐でメロディアスな安定のブラダリサウンド
  • 爆走一辺倒ではない引きの展開も見事
  • 地下を蠢く害獣は死なない

 

元々僕は日本のパンク・メロコア界隈からロックという音楽に入門したので、メロディアスな要素を削ぎ落としたデスメタルにはあまり触れていません。

 

エクストリームな音といえば専らメロディックデスメタル、もしくはメタルコアスラッシュメタルといった具合で、ガチのおどろおどろしいデスメタルは積極的にアルバムを買おうという気にならないのが本音。早い段階でマキシマム ザ ホルモンに触れていたおかげでデスヴォイス自体への耐性はしっかりとついてはいましたが。

 

そんな軟弱リスナーである僕が聴ける、一番過激なデスメタルアクトはこのバンドになります。20年近いキャリアを持ち、全米チャートトップ40にも食い込むほどになったメロディックデスメタルバンド・The Black Dahlia Murder。

 

実際にあった猟奇殺人事件を基にしたバンド名から想起されるように、彼らの音はひたすらに残虐で恐ろしい。殺傷能力に満ち溢れた重音リフに、ひたすらバスドラムを連打し狂気的な疾走感を見せ、高音主体のデスヴォイスで鼓膜を蹂躙する音はまさに地獄からの音。

 

そしてただ残虐なだけではなく、北欧メロデスにも通じるような泣き・慟哭・悲しみのエモーションをリードギターで存分に放っているのが何よりの美点。デスメタルとしての凶悪さを一切縮小させることなく、繊細なメロディアスさもバッチリ表現しているのが、他の十把一絡げなアメリカ産バンドとは異なるところ。

 

最新作となる本作もまた従来作と変わらず、凶悪・残虐・哀愁のメロディックデスメタルを徹底してプレイ。ぶっちゃけ過去作の楽曲が本作にしれっと収録されてても気づかない自信があるのですが(笑)、流行りのポストハードコア、モダンメタルコア路線に目もくれないその姿勢たるや素晴らしい!

 

せわしなさすぎるドラムも従来通りではあるものの、今回はやや引きを見せる所が多いと言うか、爆走オンリーとは異なりテンポを落とした展開の頻度も増えている。それによってアルバム全体にメリハリがついている印象につながっているのも嬉しいですね。

 

安心安定のブラダリ印の爆走デスメタルM1「Verminous」で幕を開け、より強靭なリフとバカっぱやいドラミングで脳を切り刻むM2「Godlessly」、本作中特に耳に残りやすい悲しいリードギターが素晴らしいM3「Removal Of The Oaken Stake」へと続く。

 

スローテンポな中で極上の悲しくドラマチックな旋律を奏でるM6「Sunless Empire」、クライマックスにかけてテンポアップしていく轟音リフに手に汗握るM8「The Wereborn's Feast」など、随所に琴線にガッチリ響く瞬間があるのも、一本調子にならない効果をもたらしてくれる。

 

国内盤ボーナストラックであるM11「Sabre The Dog Theme」は本編以上かと思えるほどにドラマチックなギターが堪能でき、なぜコレがボートラ扱いなのかが不思議なレベル。1分ちょいしかないのが実に解せない!

 

アメリカ出身らしいひ弱にならない屈強なサウンドに、アメリカ産とは思えないエモーショナルなギターワークのコンビネーションが全曲にわたり展開され、収録時間も40分を切る短さ。聴きやすくも禍々しいデスメタルらしさが担保された名作です。

 

なお音楽とは直接関係はありませんが、ライナーノーツの最後に記載されている、ギタリストのブライアン・エスクバックの言葉が素晴らしい名言でした。

 

"デス・メタルは忌み嫌われる存在。ネズミやゴキブリみたいなものだ。でも地面の下には、害獣や害虫が大量に蠢いている。デス・メタルも同じだ。根絶することはできないんだ。"

 

彼らがいる限りデスメタルは死なない。ゴキブリは根絶されてほしいけど

 

 

個人的に本作は

"凶悪で禍々しいデスメタル像を完璧に描き出しつつ、ブラダリ印のエモーショナル極まりない悲しみの旋律が活きた、安心安定のメロデス名盤"

という感じです。

 


The Black Dahlia Murder - Verminous (LYRIC VIDEO)

 


The Black Dahlia Murder - Child of Night (OFFICIAL VIDEO)

NOCTURNAL BLOODLUST 『ZēTēS』 (2016)

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  • ドラマチックでシネマティックでバイオレンス
  • ロディアスかつテクニカルなリードギターが大活躍
  • ガチのデスコアファンからは不評かもね

 

先日V系デスコアバンド・NOCTURNAL BLOODLUSTが、新曲「Life is Once」を公開しました。

 


NOCTURNAL BLOODLUST - Life is Once (Official Visualizer)

 

レーベルスタッフの不正な金銭利用をきっかけにメインソングライターが脱退、さらにその穴を埋めるべく新規加入したギタリストが、よりにもよって新体制後初のライヴ直前という段階でやらかしていたことが発覚しパクられるという悲劇に見舞われた彼ら。

 

普通であればもうバンドにかけるモチベーションすら潰えてしまいそうなほど打ちのめされる事態な訳ですが、それでも彼らはバンドにかける気持ちを失わずメンバー募集を実施。そして長きに渡る沈黙を破り、とうとう復活までこぎつけました。これを不屈と言わずしてなんと言いましょうか。

 

4人体制になってリリースされたミニアルバム『UNLEASH』は、視聴してみた限り「誰もこのバンドにこの路線望んでないんじゃないの?」と思わざるを得ない迷走作でしたが(笑)、公開された新曲はダイナミックなギターが舞い、デスコア/メタルコアの素養をガッツリ見せつつもキャッチーなサビを聴かせる、CazquiさんDaichiさん在籍時のような音に回帰していてイイ感じ。

 

ギタリストは現時点では公開されていませんが、わざわざもったいぶってるってことは、CazquiさんとDaichiさんが戻ってくるとか、すでにかなりの知名度を持っている人だとか、何かしらのサプライズがあるのかもしれません。

 

そんな彼らの今後の動きに期待しつつ、2016年発表したミニアルバムの感想を書いてみたいと思います。

 

 本作はデスコアというスタンスを下敷きにしつつも、楽曲のバラエティの豊かさやシネマティックな要素を織り交ぜ、単純なエクストリームミュージックとは一味違った作風になっています。

 

これはやはりV系というバンドとしての強さですかね。ヘヴィなサウンドデスヴォイスもアリ、キャッチーな歌メロやチャラめなラップもアリにしてしまえる、V系という音楽の懐の深さを感じます(ファンはメタルファンと同じくらい排他的な人が多い印象ですが/笑)

 

こういう歌モノとしてもイケるスタイルは、ホンマモンのデスコアファンからしたら「中途半端にキャッチーにしてリスナーに媚びるな!グロウル一本で攻め立てろや!」と言いたくなるかもしれませんが、徹頭徹尾エクストリームな音にはあまり慣れてない僕からすれば、明確な歌、サビが存在する彼らの音は非常に聴きやすくて助かります。

 

またCazquiさんが中心となり弾き倒すギターが非常にカッコよく舞っており、思いっきりヘヴィなリフを刻みつつ、ここぞというところでダイナミックなリードが飛び出す。この派手さがまた彼らの楽曲の魅力を形成していますね。

 

シアトリカルなイントロから続くM2「Malice against」は彼らの代表曲と言っても良い、エクストリームな疾走感にSLAYERばりのギターソロ、キャッチーなサビという彼らの美点がそろった一曲。ハードコアモッシュが発生しそうなヘヴィパートも迫力充分。

 

タカが外れたかのような爆走っぷりに、気が狂ったヴォーカルパフォーマンスが載るM3「EXCEED」、超ド級のヘヴィサウンドに大胆にもサックスを入れ込んで、曲展開にかなり色味を加えたM4「NG+」、ドラマチックなギターで幕を開け、広義のヘヴィ・ラウドロックといえる曲調で疾走するM5「Deep Inside」と、単純なデスコアにはハマらないながら、攻撃性はバッチリな楽曲群で押し通してくる。

 

これだとちょっと勢いが強すぎるからか、最後にはバラードであるM6「the strength I need」で綺麗に締めてくれます。ヴォーカルメロディーにはもう少しフックが欲しいところですが、エモーショナルに響くリードギターはなかなか良い。

 

初回盤にはM2のインストバージョンに、過去曲「Rebellion」「A Bullet of Skyline」のリレコーディングを収録。ちょっとメロディーがとっつきやすすぎると感じるものの、らしさ全開でカッコいい。この3曲のためにCD替えるのはメンドクサイので、普通に一枚に収めてほしかったけど(笑)

 

ひたすらエクストリームな音を求める人からすればポップな要素、メロディアスに泣くギター、V系らしいクリーンなどが邪魔になり、ポジティヴな評価にはなりにくいかもしれませんが、このバンドらしい個性が短くも濃密に詰まったナイスなミニアルバムだと思います。

 

新生ノクブラもまたこんな感じの楽曲を生み出してくれるんでしょうか。今後の彼らの動きは要チェックですね。

 

 

個人的に本作は

"エクストリームミュージックのマナーを基本的には守りつつ、V系らしい毒々しいメロウさをバランスよくブレンドした個性的な作品"

という感じです。

 


NOCTURNAL BLOODLUST - Malice against (MV FULL)

 


NOCTURNAL BLOODLUST - 3rd Mini Album "ZeTeS" (Teaser)

ANTHEM 『BOUND TO BREAK』 (1987)

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LOUDNESSとOUTRAGEのアルバム感想があって彼らが無いのもアレなので、代表作と思しき本作を取り上げてみます。

 

どうも「ジャパメタ代表 = LOUDNESS」のイメージが強すぎるためか、なんとなく二番手の位置に甘んじているような気がしなくもないですが、ジャパメタ屈指の実力派であることはメタルヘッズであれば周知の事実。

 

本作は1987年にリリースされた3rdフルアルバムで、坂本英三さん脱退前の最後のアルバムでもあります(再結成時には坂本さんは復帰するも現在は脱退済み)

 

最初から海外進出を強く見据えていたLOUDNESSと違い(彼らも海外は狙ってたのかもしれないけど)、歌メロの比重がより強い、歌謡曲っぽさが色濃く感じられる正統派メタル。これぞまさしく「ジャパメタ」と呼びたくなる代物。

 

この歌謡的なメロディーを熱い歌唱と演奏に載せている様は、ともすればダサいと受け取られるだけのリスクがありますが、名プロデューサーである故クリス・タンガリーディスを迎えて制作されたことも影響したのか、単にダサいだけに陥らず、パワーメタルとしての馬力、説得力、そして熱さを帯びています。

 

そう、本作は熱いんですよ。いわゆるエピックメタルとは異なる、日本男児が拳を握り、血潮をたぎらせるかのような男の暑苦しさが見事にパワーメタルのスタイルと調和して、思わず聴いているだけで心の温度が上昇するのです!

 

謡曲やアニソンにも通じるようなメロディーと、それをなぞる坂本さんのヴォーカルが本当に熱い!1stアルバムの頃はお世辞にもうまいとは言えなかった彼の歌唱が、ここにきて熱きANTHEM美学にピッタリとハマる声と化している。振り絞るかのようなシャウトに心がたぎる!

 

個人的に僕はこの坂本さんのヴォーカルが大好きでですね...。実力的には今の森川さんの方が遥かに上だとは思いますが、やはり僕は彼の魂の歌唱こそANTHEMらしいと感じます。

 

楽曲のクオリティーも文句無しで、アップテンポな攻撃力高めの楽曲から、ミドルテンポで重心低くずっしりと迫ってくる曲まで、聴き手を力強く鼓舞してくれる楽曲ばかり。バラードの類いは無く、全編に渡ってパワーに満ちている。

 

タイトルトラックであるM1「Bound To Break」なんかは「これを聴いて熱くならないいヤツは男じゃねえ!」と言いたくなるほどの男のロマンが詰まった、実直でパワフルな名曲。一曲目からブーストをかけにきていてたまらんのです!

 

ヤケクソ気味の疾走感と坂本さんの熱すぎるヴォーカルパフォーマンス、エモーショナルなギターソロに脳ミソを撃ち抜かれるM2「Empty Eyes」、タイトル通りロックンロールのノリをガッツリ取り入れ、聴き手の体を揺らすM4「Rock'n' Roll Survivor」、イントロの時点で直球のパワフルさとヒロイズム全開のM8「No More Night」、聴けば一発で覚えられそうなシンガロングが熱いM9「Headstrong」など、あんたたちは休むことを知らないのかと聞きたくなるほど(途中でインストは入るが)全身全霊のメタル・アンセムが鳴り響く。

 

とりあえずこの一枚を聴けば、ANTHEMというバンドがいったいどんなバンドなのかがわかると言っても過言ではないんじゃないかと思います。メタル日本男児であれば必聴です。

 

そして何よりも特筆すべきことは、このアルバムリリースから30年以上経っているにも関わらず、当時と遜色ないテンションの楽曲を作り続けられる今のANTHEMの強靭さですね(笑) まだまだ野心全開だぞ柴田のおっちゃんは!

 

 

個人的に本作は

"日本の全メタルヘッズを燃え上がらせるジャパニーズ・ヒロイック・ヘヴィメタルの代表作"

という感じです。

 

非公式の映像ですが、あまりにもカッコいいので載せます。

いや〜〜〜熱い!やっぱ英三カッケエ〜〜〜!!!


Bound To Break Loud Park07 さいたま

CROSSFAITH 『SPECIES EP』

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  • 新レーベル発足後の最初の音源
  • 全体的にかなりダークでアグレッシヴ、チャラさは控えめ
  • 少ない曲数でも王道から変わり種まで

 

今年に入り自主レーベル「Species Inc.」を設立したデジタルメタルコア/ラウドロックバンド・CROSSFAITH。レーベル設立にあたり、ヴォーカルのKoieさんは「新たな価値を想像していき、その種を繁栄させるために立ち上げた」とコメントしており、今後いろいろなライヴの企画や、後輩バンドの音源リリースなどが控えているのではと予想されます。

 

まあそんな記念すべき設立年がコロナのせいでメチャクチャになってしまったのは気の毒としか言いようがないのですが...

 

本作は新レーベルからの第一弾リリース作であり、EPとしては2012年の『ZION EP』以来8年ぶり。

 

内容としては、ここ数年のCROSSFAITHらしい音でありながら、自主レーベル一発目ということで気合が入ったのか、全体を通してヘヴィで攻撃的な側面を強く押し出している。

 

M1「Digital Parasite」はブラスト寸前のアグレッシヴなドラムとヘヴィリフが突進し、クリーンヴォーカルも排除した獰猛な楽曲ながら、"Digital"と名がつく通り、浮遊感のある近未来的なアレンジも目立つ。

 

M2「Endorphin」、M3「Truth of Insanity」はデジタルハードコアとしてのアグレッションを発揮しつつ、サビではクリーンでメロディアスにキメる最近の彼ららしい楽曲。よりメロディック、かつメタリックなリフもたっぷりの後者が特に気に入りました。ややアニソンめいたポップさが強いのは賛否ありそうですが良いものは良い!

 

M4「None of Your Buisiness」はラッパーのJin Doggさんをゲストに招いたスローチューン。日本語ラップは基本苦手なので、ダサめなリリックがやけに耳につくこの曲はやや好みからズレるな...(笑)

 

M5「Your Song」はクリーンによるサビとコーラスが壮大さを演出する楽曲。もう少しキャッチーなメロディーが欲しいものの、クライマックス感はしっかりも演出されています。

 

メタルコアというより、いわゆる広義のヘヴィロック・ラウドロックといえるような音作りで(少なくとも僕はそう感じた)、ガッツリとメタルコアしていた『ZION EP』の方が好みの音ですし、同作収録の「Leviathan」のような圧倒的キラーチューンも無いため、必ずしも「満足度が高い」とは言い難い。

 

ただ、あからさまにオシャレなポップ感や、チャラすぎる要素は一切無く、全曲ダーク&ヘヴィな方向で統一しているのは好感触です。やはり彼らは獰猛でアグレッシヴな方が魅力的だな!

 

なお本作には昨年ポーランドで開催された野外フェス・Pol'and’Rock Festivalの映像が7曲、そして僕も参加したEX_MACHINA CLIMAXの映像を使用した「Milstone」のビデオクリップが収録されています。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

ライヴ映像は海外で何度も経験を積んだ彼らだけに、メインステージで臆することなくオーディエンスを熱狂させるパフォーマンスが見られます。海外のロックフェスって、ちょこちょこピットは発生するものの、棒立ちも多いって印象だったのですが、このライヴに関してはかなり規模の大きなモッシュピットが作られていてエネルギッシュ。

 

「Milestone」のビデオクリップには10年前のイモ臭さ満載の彼らが見られ、10年でこうも人は垢抜けるのかと思わされますね(笑)

 

 

個人的に本作は

"今のCROSSFAITHらしさがダーク&ヘヴィ路線でまとめられた攻撃的な一作。悪くは無いがインパクトのあるキラーチューンは欲しかったかも"

という感じです。

 


Crossfaith - Endorphin [Official Music Video]

 


Crossfaith - Freedom (Live at Pol'and'Rock Festival 2019)

検索結果

ウェブ検索結果Pol'and'Rock Festival

ANGRA 『Rebirth』 (2001)

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  • 完全なる再生 これこそがANGRA
  • パワーメタル界最高峰のキラーチューン有り
  • 全メロディックメタルファン必聴の大名盤

 

コロナウイルスの脅威が去ったわけではありませんが、とりあえず都市部の感染者の増加も落ち着き、緊急事態宣言も解除され、少しひと段落ついた状況と言えますね。(まあ緊急事態宣言中も、ぶっちゃけ僕の生活自体は全くと言っていいほど変わらなかったけど)

 

第二波の脅威もあるとはいえ、在りし日常が戻る希望がまた少し見え始めた今、「再生」を意味するタイトルを冠した劇的な復活作を取り上げたいと思います。世界がまた再生する期待を込めてですね。

 

「ブラジルの至宝」とも呼ばれ、日本における支持基盤も確たるものにしていたANGRA。しかし前作『Fireworks』の製作段階からメンバー間に軋轢が生じ始めていたらしく、バンドの看板ともいえる存在だったヴォーカルのアンドレ・マトスがリズム隊の二人と共に脱退。残されたメンバーはギタリストのキコ・ルーレイロ、ラファエル・ビッテンコートの二名のみという状況に立たされました。

 

バンドの崩壊寸前のところまで追い込まれた二人でしたが、曲作りを進めるうちにANGRAを継続させる意思を新たにし、メンバー探しを開始。そして最強の布陣となって再生を果たしたのが本作。

 

本作はクラシカルな要素、彼らの地元のラテン音楽の要素を掛け合わせ、メロディックパワーメタルというスタイルに昇華させた、まさにANGRAというバンドでしか成し得ない作品。キコ曰くANGRAの初期のコンセプトに立ち返る意識が明確にあったらしいです。優雅で、かつ土着的な色合いが濃いメロディーを持ち、そして極上のメロディックパワーメタルという軸に一切のブレがない。

 

M1「In Excelsis」から続くM2「Nova Era」はパワーメタルを愛するすべての人間を鼓舞し、高揚させる、完璧としか言いようがない超名曲。他にも素晴らしい曲は多々ありますが、すべてこの曲の前にかすんでしまうのではないかと思わせるほど。

 

ラストの強烈なツインリードに導かれる"Nova era is the passage to your mind~"のクライマックスなんか、いつ聴いても鳥肌と興奮を覚えてしまいます。

 

日本のメタルヘッズの間では"ANGRAの代表曲は「Carry On」"が共通認識としてあり、僕もそれを否定するつもりは一切ありませんが、やはり個人的にANGRA最強の名曲はこの「Nova Era」かなあ~。

 

ブラジル民謡っぽい間奏と特大スケールのサビが見事に共存したM4「Acid Rain」、ラテン音楽と疾走メタルによる壮大な組曲M6「Unholy Wars」、壮麗なストリングスをふんだんに使い、サビで突き抜けるようなポップさを表現したM8「Judgement Day」など、名曲・佳曲の雨アラレ。どの曲にもジャケットから想起されるような「美しさ」「煌めき」が存在する。

 

バンドが命をつなぎとめるキッカケとなったM9「Running Alone」もまた、クラシカルな芸術性をとことんまで高めた、実に見事な疾走曲となっています。この曲を聴けばANGRAの再生は必然だったとすら思えるな...。ラストの神聖なコーラスが劇的でたまらん!

 

ボーナストラックを含めるとラストでバラードが二曲続くのは、少しダレを感じさせなくもないですが、どちらも出来は非常に良いのでささいな問題でしょう。どんなタイプの楽曲でも感動を与えてくれる。ここまでドラマチックなパワーメタルは後にも先にもいくつ出てくるのか...

 

今でこそヴォーカルも交代し、キコ・ルーレイロもいない状態のANGRAですが、今後どれだけバンドの形が変わろうと、この再生劇は語り継がれていくんでしょうなあ...

 

 

個人的に本作は

"完全なる再生を高らかに宣言したメロディックパワーメタルの金字塔。全メタルヘッズが感動と歓喜に包まれる大名盤"

という感じです。

 


Angra - Rebirth (Official)