ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

OUTRAGE 『Raging Out』 (2017)

OUTRAGE 『Raging Out』

日本を代表するスラッシュメタルバンド(というか僕日本のスラッシュメタルバンドでパッと名前が浮かぶのって、他だとUNITEDとAIONくらいしかいないんですけど、メジャーなバンドってどんなのがいるんでしょう・・・?)の最新作。METALLICAのTシャツとかにありそうなガイコツジャケットがなかなかのインパクト。

 

 

活動歴が30年を超えるほどの大ベテランバンドの最新作って大抵「悪かないけど全盛期に比べるとパワーに欠ける」ってな塩梅のアルバムになってしまうのが世の常だと思うのですが、このバンドは全くそれに当てはまりません。とにかくアルバム全編にわたって、暴力的なまでのパワーがみなぎっています。テンポの速い遅いはあれど、つんのめるような勢いは全開。タカが外れたように暴れ狂う轟音は終始鳴りやまない。

 

 

先日のLOUD PARKのステージでもギター一本とは思えない轟音を放っていましたが、その音圧がそのまま音源に封じ込められたような鬼気迫る演奏がすさまじいのです。とても大御所ベテランバンドのニューアルバムとは思えないと言えるし、ポッと出の新人バンドにはこの貫禄は出せないとも言えるかも。荒々しさとタイトさのバランスが良いんですよね。

 

 

へヴィでこの上なくアグレッシヴながらメタリックな音色感をしっかりと描きつつ、ときにメロディアスとも言えるようなソロを決める阿部さんのギターが特に素晴らしい!問答無用で頭を振らせるリフに陶酔できます。M2「Hammer Down and Go」のリフなんてカッコよすぎじゃありませんか!?

 

 

そしてこの破壊的なサウンドにさらにダメ押しで攻撃力を付与しているのが橋本さんのヴォーカルです。聴き手の喉笛に喰らいつくかのような壮絶な咆哮の嵐!非人間的なデスヴォイスではないものの、そういったエクストリームなヴォーカルに決して力で負けていない。まさにOUTRAGE( = 非道、蹂躙、怒り、憤り)を感じさせる絶唱はもう見事としか言えない。非デス系でここまで怒りを爆発させる叫び声を上げられるヴォーカリストって、他にはSLANGのKOさんくらいしかいないんじゃないの?いや、アンダーグラウンドのハードコアシーンとかにはまだまだいるんだろうけど。

 

 

とにかく本作は一曲一曲がどうこうというよりかは、アルバム通して爆音で聴いて、その暴力性に心行くまで打ちのめされるのが正しい聴き方なのではないでしょうか。もちろん一曲を取り出しても十分楽しめるし、ただアグレッシヴなだけでなくちゃんとメタル的な曲展開も感じさせてくれるのですが、どう考えてもじっくり味わう音楽じゃないですよね。

ただただアドレナリンを噴出するのみ!!それでOK!!

 

 

M1 「Doomsday Machine」 MV

 

 

M2 「Hammer Down and Go」 MV

アルバム中特にストレートな疾走感を感じさせるキラーチューンですが、こういう曲こそフルで公開すりゃいいのに。