ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

DragonForce 『Inhuman Rampage』 (2005)

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  • DragonForceを代表する出世作
  • スピードはそのままに、音質はよりヘヴィで重厚に
  • 全曲に渡り似たようなDragonForce節炸裂

 

ふとDragonForceのCD感想文は、まだ最新作の『Extreme Power Metal』しか書いてないことに気づきまして、彼らの出世作と思しき本作を。大抵彼らの名盤といえば本作が取り上げられるような気がします。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

前人未踏のスピードと音数を詰め込みまくった超絶技巧のギターで、メロスピの顔役となっている爆速集団DragonForceの3rdフルアルバム。アホみたいにピロピロ弾きまくるギターと、手数足数多すぎるバカッ速いドラムにより疾走感を生み出す方法論を1stの段階で提示した彼らですが、本作においてもそのスタイルには微塵も揺るぎがありません。

 

次作『Ultra Beatdown』以降はテンポを落としたパートも上手く織り込むようになったので、本作は「とにかく速く!誰よりも速く!」という、スピード第一主義のスタンスの最後のアルバムといえるかもしれません。

 

また本作は前2作と比べると、ヴァディム・プルジャーノフによるキーボードが目立つようになって、どこか機械的というか近未来感のあるモダンな音作りに接近したような印象を受けました。全体的にギターリフのヘヴィさも一段階アップし、サウンド全体が頼もしく引き締まったようにも感じます。

 

BAL-SAGOTHで鍛えられたデイヴ・マッキントッシュのドラムのスピードもエゲつないレベルに到達。全曲に渡り高速でスネアドラムを打ちまくってスピード狂っぷりを発揮しています。ここぞとばかりに繰り出すフィルインの連打、機関銃の乱射ようなバスドラの踏まれ具合は爽快としか言えない。

 

演奏と音質はタイトさを増していますが、延々と続くギターソロによる曲の長さ、密度の濃さは一切変化していないため、音圧が向上した分聴き疲れの度合いも増したような(笑) このワンパターンかつ濃厚すぎる音世界に馴染めない人はキツイでしょうね。まあそれは本作に限った話ではないですが。

 

彼らの代表曲であり、ライヴの定番でもあるキラーチューンM1「Through The Fire And Flames」の素晴らしさは言うまでもなく、本作の中では哀愁寄りのメロディーが耳を引くM3「Storming The Burning Fields」、ウォーウォー言うコーラスがシンガロングを誘うM4「Operation Ground And Pound」、ベースのスラップとキーボードのソロが交錯し、ブラストビートにより勢いもマシマシになったM5「Body Breakdown」など、過去作同様DragonForce節満載の爆速ナンバー目白押しで捨て曲は無し。

 

まあつまり、全曲似たような爆速曲ばっかりになっているということなんですが、彼らの場合はそれでいいんでしょう。

 

爆走に次ぐ爆走というアイデンティティーを一切崩さず、さらに演奏の充実度を高めた初期の代表作。ぶっちゃけ最新作よりもエクストリーム・パワーメタルしてます(笑)

 

 

個人的に本作は

"バンドの代表曲を収録し、それまでも充分にあったスピードと演奏の充実度をさらに高めることに成功した、彼らを象徴する爆速曲集"

という感じです。

 


DragonForce - Through the Fire and Flames (Official Video)

 


Dragonforce - Operation Ground And Pound (Official HD Video)