- 前作に比べて哀愁寄り
- ノーザンらしい疾走感と切ないヴォーカルが気持ちいい
- 哀愁バリバリの熱き疾走キラー有り
メンバーチェンジ後初の音源となった前作シングル『YES』発表から、1年を挟んでリリースされた最新作。
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まだまだミュージシャンにとって厳しい日々が続く中、こうやってコンスタントに新作を作ってくれる彼らには頭が下がりますね。インディーズの4曲入りシングルが1400円超と、CDの値段が高騰していることを実感させられますが(泣)、積極的に活動してくれるバンドにちゃんとお金が入るよう購入させてもらいました。
本作もまた4曲入りで10分ちょいというコンパクトな音源。軽快な疾走感とハードな演奏の相乗効果もあり、聴きやすさは最高。ちょっと時間が空いたときとかにサッと聴くのに重宝します。
前作が弾ける躍動感、ホープフルな魅力を持った作風であったのに対し、本作はどことなく陰りのある感じ。ポップではあるんですが全体的にしっとりした哀愁寄り。
哀愁を効かせた疾走メロコアは大好きなのですが、前作にあった「NOTHING BUT MY HEART」のような"陽"のイメージを描きつつ、メロディアスに疾走するスタンダードなメロコアチューンがないのは少し寂しい。
とはいえ楽曲のクオリティーはもちろん申し分なし。クリーンギターによるイントロからブラストビートへと繋がり、エモコア的な落ち着きのヴォーカルで疾走するM1「MOVE ON」は、大人なノーザンの王道ソング。ブラストと共にギターもギャンギャンかき鳴らされるのですが、刺々しいムードはまったくなく、非常になめらかにメロディーが伝わる。
そしてM2「STILL ALIVE」、これは文句なしのキラーチューンですね!Hawaiian6を彷彿させるマイナーキーの歌メロに、土臭く、熱く、哀愁をまといながら力強く疾走するサビが痺れるほどカッコいい。泣きながら全力疾走してるかのような激情が味わえる!
M3「RECALL」は少しポップさを押し出したミドルナンバーで、彼ららしい青臭さの中に光る歌メロが魅力的。本作中最もおとなしい部類の楽曲ではありますが、ギターソロは一番気合が入っており、短い中にピロピロした速弾きとツインリードをブチ込んでいて大きな聴きどころになっていますね。
M4「NEVER FORGET, SUMMER '20」は、疾走しつつもバックのアコギや張り上げないヴォーカルから、メロコアらしい勢いはそこまで感じず、どちらかといえばメロウさ重視の曲。タイトルどおり夏の終わりをイメージさせるような歌メロと、後半のクリーンなコーラスが非常に切なくて気持ちいい。
前作に引き続き、彼らのメロコアバンドとしての確かな地力を感じさせる良作でした。特に「STILL ALIVE」は今年の国産メロコアのアンセムになり得るかも。メッチャ良いです。
個人的に本作は
"ノーザンらしい哀愁路線を強調した楽曲集。哀しく力強いキラーチューンがメチャ熱い"
という感じです。
リードトラックももちろん良いですが、哀愁メロコア好きはぜひ「STILL ALIVE」を聴いてくれい。